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手がけてきた再生プロジェクトをストーリーに。
次世代に意志をつなぐ、プラットフォーム型の採用ホームページ。

「日本の文化を紡ぐ。」をミッションに、日本全国に100万棟あるとされる「歴史的建造物」の再生事業を行うバリューマネジメント株式会社(Value Management Co., Ltd.)。「神戸迎賓館 旧西尾邸」「篠山城下町ホテル NIPPONIA」「北野異人館 旧レイン邸」「大阪城西の丸庭園 大阪迎賓館」など、全国で数多くの施設を運営しています。日本が直面する空き家・空きビル問題に、不採算店舗の再生・遊休施設の利活用という切り口でチャレンジし続けています。

#プロジェクトの課題

採用メッセージについて検討するにあたり、バリューマネジメントならではの提供価値や仕事の醍醐味を紐解きました。歴史的建造物というのは、その地に根付いた文化や伝統と深く絡みあって存在する特別な建物です。事業再生・施設再生と言っても、古い建物をただクリーニングして商業施設化すればいい、という話ではありません。例えば、地域創生の一貫として「国家戦略特区」となった兵庫県篠山の古民家郡のケース。ここで活動する社団法人とタッグを組み古民家の宿泊施設化を計画したバリューマネジメントでしたが、プロジェクトの内容を聞いた古民家オーナーたちの反応は冷たいものでした。「こんな田舎に宿泊客が来るはずがない」「うまいことを言って騙すつもりじゃないのか」「先祖代々の土地を簡単に使わせるわけにはいかない」。頑なにそう繰り返す彼らの信頼を得るため、同社は何度も膝を突き合わせた話し合いを重ね、数ヶ月かけて彼らとの契約を実現させたのです。このように、歴史的な建造物を扱うには相応の知識や技術、あるいは独自の法律や規制などのルール、何よりその建造物に関わる様々な人の「想い」に向き合う覚悟が必要なのです。

一方で、急激な業績拡大により社員数が500名を超え、同社代表・他力野氏が語ってきた理念が社員一人一人に浸透しているかという危機感も感じていました。

バリューマネジメントのDNAが凝縮されている独自の再生プロセスや、運営施設の裏側にある目に見えない「想い」の部分を、学生や求職者にどう伝えていくのか。この事業に相応しい人材にどうアプローチしていくべきなのか。さらに、事業の本質を既存社員にどう浸透していくか。それを考える中で徐々に明らかになってきたのは、歴史的建造物の再生事業を進めるための具体的なノウハウ・知識・プロセスが、これまで顧客折衝をほぼ一人で行ってきた他力野氏の頭の中にしか存在しておらず、文章などを通して記録されていないという事実でした。

#解決の方向性

上記を踏まえバリューマネジメントに必要なのはいわゆる「求人サイト」よりも、他力野氏の脳みその中にギッシリ詰まっているノウハウ・知識をきちんと「可視化」するプラットフォームなのではないかと考えました。同社が手がけてきたいくつものプロジェクトを、一つ一つ丁寧にストーリー化して提示することで、この仕事に必要なことをリアルに伝えられるはず。つまり必要なのは、単なる採用サイトではなく、これまでプロジェクトに関わってきた人々のためのアーカイブであり、同社の事業や歴史を知らない第3者への自己紹介コンテンツ、さらに同社で勤務している社員の教科書でもあるという役割を併せ持ったコンテンツでした。

①採用コンセプトの策定

②リアル・クリエイティブの実施

③コンセプトの決定

④プロジェクトストーリーのための代表インタビュー〜ライティング

⑤サイト作成・撮影など

#① 多方面にわたるヒアリングから、採用コンセプトを検討。

採用活動の「芯」となるコンセプトを設定するために、まずは同社のことを理解することを目的としたヒアリングを、他力野氏を含む14〜15名を対象に実施。それぞれに会社の特徴や印象的な案件などを聞き、それらの内容を踏まえて20ほどのコンセプト案を作成しました。

#② 学生の本音を聞き出す、「リアル・クリエイティブ」を実施。

今回のプロジェクトは、パラドックスが運営する学生ラウンジVisions LOUNGEとのコラボーレトサービスである「リアル・クリエイティブ」で発注いただきました。「リアル・クリエイティブ」は、Visions LOUNGEの登録学生の中からクライアントの求めるターゲット像に合った方を抽出し、その方に会社情報やコンセプトに対する感想やアドバイスをもらうことによって、より効果的な表現手法を検証した上で制作工程に入っていく、というもの。バリューマネジメントが「ぜひ欲しい!」と思うタイプの学生5名に同社の印象をヒアリングすると共に、①で作成したコンセプト案についても意見をもらいました。

#③ 企業としての「本気度」を表現する採用コンセプトに決定。

会社が伝えたいメッセージと、求職者が聞きたい情報。そのバランスを「リアルな学生の声」を参考にしつつ検討。「お客様のために」や「社会貢献」などの言葉を掲げる会社は数多くあるが、「歴史的建造物の再生に真正面から向き合い、それを本気で実現する会社だということが心に響いた」という意見が学生から複数出たこともあり、採用コンセプトは『言うだけの人生か、叶えていく人生か』に決定。このコピーをプロジェクトの中心に据え、具体的なサイト内容について考えていきました。

▲採用ホームページのファーストビューで、決定した採用スローガンを表示。

#④ プロジェクトストーリーのための代表インタビュー。

バリューマネジメントが手がけてきた歴史的建造物の再生プロジェクトを、具体的なストーリーとして可視化するため、あらためて他力野氏にインタビューを実施。ローンチと同時に掲載する3つのプロジェクトについて、3〜4時間かけてじっくりお聞きしました。この内容をもとに弊社ライターが各数千文字のストーリーを執筆。他力野氏の頭の中にしかなかった様々な知識やノウハウを、実際の出来事に沿ってリアルに伝えていくことを意識しました。

▲再生プロジェクトのストーリーをロングフォームの文章にすることで、知識やノウハウの共有を行った。

▲写真などビジュアルを挿入し、建築物が立つ土地への思い入れや、再生時のこだわりを表現。

#⑤ 建造物の撮影をはじめとした、ウェブサイトの作成。

プロジェクトストーリーの執筆と並行して、サイト内で使用する動画や写真の撮影もスタート。ドローン(無人航空機)での撮影も行うため、10名のクルーで、1件の物件に約1日という時間をかけてじっくり撮影を行い、サイトとコンテンツを設計。プロジェクトスタートから約3ヶ月でサイトオープンを迎えました。

▲時間をかけて撮影した写真一枚一枚が、スライド式でトップページに表示される。それぞれがプロジェクト記事の入口に。

#得られた成果

今回のプロジェクトは、バリューマネジメントに合った人材と出会うための「採用ブランディング」と、代表の経験値を可視化して社内ノウハウ化するという「インナーブランディング」を<かけ合わせた>ご提案でした。ターゲット学生の声を判断基準とした「リアル・クリエイティブ」を活用し、「事前検証」をしたことで、歴史的建造物の再生という事業に強いモチベーションを持った学生(及び求職者)からの応募が増加。早期から学生に魅力づけすることに成功し、意欲の高い学生に内定を出すことに成功しました。また、このサイトを見た同社の社員から、「自分たちはこんなにも素敵な仕事をしていたのだと改めて気付かされました」「プロジェクトストーリーやインタビュー動画を見て、感動して涙が出ました」という声が挙がるなどの反響が得られています。まさに「採用ブランディング」と「インナーブランディング」の両面で効果が出ました。

#バリューマネジメント様からパラドックスへ

「リクルートサイトとしてローンチして、学生の反応はもちろんいいのですが、実はそれ以上に反響があるのは、社内なんです。

弊社は歴史的建造物などの再生事業を行っているのですが、プロジェクトのスタートから、晴れて施設がオープンするまでに5年や10年かかることは珍しくありません。その施設を大切に守ってきたオーナー様の想いを汲み取り、プロジェクトを進めていくのですが、今までそのドラマに溢れるプロセスは、交渉を行った社長の頭の中だけに閉じ込められていたのです。今回、そのプロセスをしっかりと紡いでいくことが社内のDNA継承につながり、さらにそこに共感する学生を呼ぶことにつながると考え、リクルートサイトに残していくことにしました。このサイトのおかげで、社員たちは『自分がいま働いている施設には、こんなドラマがあったんだ』と改めてマインドセットするきっかけになりました。

パラドックスさんと出会ったときは、『想いをカタチにしてくれるパートナーがやっと見つかった』と感じました。私たちが思っている以上の価値をご提案いただけるので、これからもぜひお願いしたいですね。」