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プロフィール

北池 智一郎(きたいけともいちろう)

大阪大学工学部を卒業後、朝日アーサーアンダーセン(現プライスウォーターハウスクーパース コンサルタント)入社。2005年より、外食ベンチャーのリンク・ワンへ転職。
2008年に独立し、店舗経営研究所を立ち上げ、2009年任意団体TOWN KITCHENを立ち上げ、2010年7月に株式会社タウンキッチンを設立。現在、同代表取締役。

食で地域がつながる“おすそわけ”。株式会社タウンキッチン。

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 “おふくろの味”。同じおかずでも、お母さんが作ってくれたものには特別なあたたかみがあります。一人暮らしをしている人や、共働きでなかなかお家ご飯を食べられない人、誰しもが一度は恋しく感じる“おふくろの味“。そこに目をつけたのが株式会社タウンキッチンです。地域のボランティア主婦による手づくり料理を、小平市にある学園坂タウンキッチンというお店で、お惣菜・お弁当として販売しています。美味しいご飯を“おすそわけ”し、地域に“ありがとう”を流通させることで、心の豊かさがつながる社会を目指しています。今回はそんなタウンキッチンを立ち上げた、北池さんのこころざしを探ってきました!

ヒントは、実家のお母さん。

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 北池さんは大阪大学を卒業後、大手印刷会社に入社しました。営業を希望して入社しましたが、配属されたのが管理部門、いわゆるキャリア組でした。“阪大だから管理部”という学歴しか見ていない感じがして、自分の将来がそれで決まってしまうのが嫌だと思った北池さん。なんと半年で辞め、経営ノウハウを身につけるために、外資系の経営コンサル会社へ再就職しました。その会社では中央省庁や国立大学を、成果主義へと経営スタイルを変えていく、といった仕事を行っていました。「合理的で、全て理屈が通っていて気持ちよかったし、組織が変わっていく姿が心地よかった。でもその反面、世の中の流れが本当にそれでいいのか、と悶々と考えていた」そうです。その後、飲食業界のコンサル会社へ転職。その会社で感じたことが、飲食業界の矛盾でした。大手チェーンの目まぐるしい価格競争や、共存しようとせず、つぶし合うかのような姿勢。そんな現状を目の当たりにし、それって誰もハッピーじゃない、と感じたそうです。

 そう思いつつ、毎晩終電で帰り、ご飯を食べるお店もなく、疲れて自炊も出来ず、お弁当チェーンで買うもだんだん飽きてしまう生活の日々を送っていた北池さん。そんな中、実家のお母さんは、母親としての仕事がだいぶ減って暇そうにしていました。「たまに実家に帰るとたくさん料理を振る舞ってくれる、そんな姿を見ていると、そういう人って沢山いるだろうと思いました。料理を作り、喜んで食べている姿を見ることがハッピーだけど、食べさせる人がいない主婦の方々。その反面で、しぶしぶ嫌な思いをしながらコンビニ弁当を食べる人がいる。ここがつながればものすごいハッピーなんじゃないかと思いました」と北池さん。お弁当チェーンのような、工場で作ったものを調理する、というスタイルではなく、みんなが作りたいもの、身体に良いと思うものを作って、それを食べるほうが幸せなんじゃないか、と感じ、会社の立ち上げにつながりました。

地域に、愛着をもってほしい。

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 働く主婦の自立支援、独居老人の食生活を潤したい、子どもの食生活を守りたい、地元の農家支援、とたくさんの想いがあった北池さん。当時通っていた起業塾で、結局何屋さんになりたいのか?と聞かれるほどでした。そこで見えた、それぞれの想いの根っこにある軸は、“人と人とをつなげる”こと。「ごはんはあくまでもツールであって、そのなかで、人と人とのつながりや、支えあう関係を生み出したい。ごはんを通して地域の人たちが仲良くなる、そんなプラットホームをつくりたいと思いました」。

 お金で解決するのが当たり前になった現代では、人と関わる必要がなくなり、結果、人とのつながりが薄れてしまっています。東日本大震災のとき、各地のスーパーでお米や水の不足が騒がれました。“他はどうでもいい、自分だけ助かれば良い”そんな気持ちのあらわれではないでしょうか。また、引っ越しをしても、お隣さんに挨拶にいかない人も多いと思います。“お隣さんや地域の人とはつながってなくてもいい、SNSでたくさんの人とつながっているから寂しくないし、別になにも困ってない”そう考える方も多いのではないでしょうか。そんな姿勢に待ったをかける北池さん。

 「困ったときに助け合う、住民自らが自分たちの手で暮らしを豊かにしていき、街に愛着を持つ、そんな姿勢を促していきたいです。地域の中の“助け合いの場”というプラットホームをつくることがタウンキッチンの仕事です」。

ごはんを通して、人と人とを結びたい。

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 手づくりのお惣菜・お弁当を販売している学園坂タウンキッチンは、5/17に「タウンキッチンくみはち」としてリニューアルしました。今までは特定多数のボランティア主婦によってごはんを提供していました。週に何回もボランティアに来て下さる方もいれば、月1回の方もいました。しかし、このスタイルだと、“○○さんのごはん”といったような、ごはんを作る主婦と、食べる人とのつながりがない、と感じた北池さん。そこで、ごはん作りは2名の主婦の方にお任せし、今までのボランティアの方はイベントなどの際にお手伝いしてもらう、というスタイルに変えることにしました。リニューアル後のタウンキッチンは、“相手のことを想ってごはんを作る、相手に感謝してごはんを食べる”、そんなつながりが生まれる場所です。

―将来的に、タウンキッチンはどのような存在になりたいですか?

 「地域の人たちのサードプレイスになりたいです。地元の人とのつながりがつくれる場所、会話が生まれる場所、そんなサードプレイスが全国1万店舗くらいあればいいなぁと思います。1万って中学校の数くらいなんですけど、地元の中学校に行くような感覚で、自転車や徒歩で行けるような場所に、タウンキッチンのような、地域がつながるサードプレイスがあると良いと思います」。

 “人と人をつなげる”という北池さんの想いがとても伝わりました!

メッセージ

株式会社タウンキッチン
所在地 東京都杉並区高円寺南3-66-3
URL : http://town-kitchen.com/

編集後記 取材 ・細川芽衣|Photo : 国府まゆ子

とても気さくに色んなお話を伺えて、とても楽しかったです!私も地域の方とのつながりを大切にしたいと思いました。取材時はリニューアル中だった学園坂タウンキッチン。新しくなったタウンキッチンくみはちにも行きたいと思います!

 

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