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プロフィール

松本 久子(まつもと ひさこ)

1948年10月生まれ。2009年9月にグランマーマのお針箱を起業。ブランド「bib-bab」を立ち上げる。公益財団法人 神戸産業振興財団の主催するKOBEドリームキャッチプロジェクト 平成21年度第12回のX-KOBEに認定。

お洋服のようなよだれ掛け。

 スタイとも呼ばれる赤ちゃんの「よだれかけ」と聞くと、どんなものを思い浮かべますか?よだれかけはよだれを受け止めるだけの役割というイメージが一般的で、ファッション性は二の次という実情が。しかし、「bib-bab」のスタイは違います。かわいさと落ち着きを兼ね備えたデザイン。付属のネクタイなどが付け替え可能であったりと遊び心もチラリ。それは、きゃあー!かわいい!とお母さんたちが思わず声を上げてしまうほど。

 機能的なのはもちろんのこと、安全な素材や作りでできたスタイが欲しい、さらに、ファッションとして楽しめるものが欲しいというお母さんの希望を叶える「グランマーマのお針箱」。その裏側を代表の松本さんにうかがってきました。

私は普通のおばあちゃんだった。

 松本さんは起業するまでは専業主婦でした。母である自覚から、一歩ひいて家庭をうまく回すという考えのもと、4人のお子さんを育ててきました。お子さんたちも独立し、お孫さんが生まれ、順風満帆な「おばあちゃん」になりました。そんな普通のおばあちゃんがなぜ「起業」に至ったのでしょう。

 きっかけはお孫さんのよだれの問題でした。お孫さんはよくよだれが出て、市販のスタイを何回もつけかえたりしても間に合わず、よだれが衣類に染みてしまい、皮膚がかぶれてしまったそうです。そして、せっかくおしゃれをしても、スタイが服を隠してしまうといった問題も。第2のトップスといっても過言ではないスタイ。そこで、よくよだれを吸収し、かつよいデザインのものはないかと探します。しかし、実用性にとんだものはデザインがいまいち。デザイン重視のものはあまりよだれを吸収しませんでした。

 そこで、お孫さんのお母さんが「なんならお出かけするための、かわいいよだれかけをつくったらいいのに」。という一言が松本さんを動かします。

孫を思う気持ちがお母さんのハートをつかんだ。

 実際に作ってみようと構想を練り始めた時、松本さんは「自分がつくりたいもの、つくりやすいもの」。を基準にしました。デザイン、色、素材は自分の好きなものを使う。特に素材の中でも、ボタンは口に簡単に入れられないように平べったいものをと気を使いました。金属アレルギーの子がいることも想定し、必ずプラスチックの部品を使うように。将来自分以外の人に製造を頼むときのことを考え、だれでもつくれるように考えました。「お母さんたちが本当に心からつけさせたい、よだれが出ない子でもつけたいと思ってもらえるようなスタイをつくろう」。と自分自身でハードルを上げ、奮起しました。

 こうしてお出かけスタイは、家族の批評から改良を重ねていきます。子どもの知り合いに差し上げたりして、反応を見るとなかなかよいものでした。そこで、息子さんが通っている貸しスペースがある美容院に「母がこんなのつくったんですけど、置いてみてくれませんか?」と頼みました。すると置いた日に全部売れてしまったのです。ここで、松本さんは、お出かけスタイには需要があると自信をつけました。

頑張るお母さんたちのつながりのきっかけをつくりたい。

 松本さんの作ったスタイは、思わぬところでも効果を発揮していました。あるお母さんから一本の電話。「先日、そちらのスタイをつけて外出したら、『わー!かわいい!』って全く知らないお母さんたちから声かけてくれて。そこで、『こんなにかわいいのに、よだれもばっちり吸収してくれるの』。とおすすめしたら、そこからお母さんたちの輪も広がったんです。私、頼れるママ友がいなかったんですけど、スタイのおかげで今は子育てに少しゆとりが持てました。本当にありがとうございました」。と涙ぐむ声が。松本さんは、「今のお母さんたちは、周りに頼れる人がいずに、一人で子育てしていて、苦労している。その中でも、一言自分の子どものことをほめてもらえるだけで、こんなにもお母さんは救われた気持ちになれる。一線を画すデザイン性と機能性を兼ね備えたスタイはお母さんたちをつなげることができるのね」。と新たな発見をしました。


 そこから、もっと「お出かけ」に注目した商品をつくろうと思います。小さめで持ち運びに便利な積み木、ポシェットやバックなども売り出しました。
 これからポケットチーフつきのスタイやマフラーを売り出す予定だそう。「スタイもそうですが、bib-babの商品が見知らぬ人同士でも、自然に笑顔と会話が交わされママを元気にする、そんなきっかけでありたいと思っております」。と松本さんはおっしゃっていました。

メッセージ

グランマーマのお針箱
所在地 〒658-0081 兵庫県 神戸市東灘区田中町3丁目10番 4号
設立 2009年
事業内容 卸売・小売業
グランマーマのお針箱 URL : http://bib-bab.com/

編集後記 取材 ・栗山遠音|Photo : ムクメテツヤ ㈲平塚写真事務所

 松本さんはお話ししていると、なんだか安心してしまう雰囲気をお持ちの方でした。自分の作りたいものをつくったとおっしゃっていましたが、やはりお孫さんのことを最優先にして制作されたのだなと思いました。そこが、お母さんのツボをとらえて、みんなから愛され、感謝されるものを生み出していく。おばあちゃん、恐るべし。

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