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プロフィール

北川 修(きたがわ おさむ)

2009年に大日本スクリーン製造株式会社を退社後、商品開発を経て、2011年に株式会社REAL-fを設立。元会社で開発した「人間コピー機」からヒントを経て、立体写真造形(3DPF)技術を開発し、現在発売されている「ザ・リアルフェイス」を商品化。

3DPF技術で、写真の顔通りのお面を作成できる。

聞いただけではなんだかよくわからないと思います。しかしこの技術、すごいんです。3DPFとは、「3 Dimension Photo Form」の略で、立体造形する最終仕上げの彩色工程を、手書きではなく写真転写技術で実物の通りに彩色する技術。人間の顔を表したとき、毛穴から、目の血管、虹彩まで本人と同じように仕上がるのです。実際に人間の顔をこの技術で実現した商品が写真の「ザ・リアルフェイス」。本物そっくりで、一瞬では見分けがつかないほど。なぜそこまでリアルにこだわったのか、そのきっかけや制作の裏側を聞いてきました!。

人の全身を3Dで、リアルにコピーできたら、面白そう。

北川さんが以前いた大日本スクリーン株式会社で、開発担当をしていた時のこと。当時、A0サイズ(全長約1m20cm)の大きなものを印刷できる巨大なコピー機を開発していました。このコピー機が業務用であったため、あまり一般の人が知ることはありませんでした。ある企業から「このコピー機を使用して人間の全身をコピーするという演出のCMを作成したい」との依頼が来ます。演出のために人がのれるように改造をし、「人間コピー機」が完成。注目を浴び、さまざまなメディアから取材に応じるようになると、ある取材者からこんな一言が。

「人間コピー機という名前から、てっきりリアルな人間が立体で出てくるのかと思いました。そんな技術あったら面白いですよね」。
その一言が引っかかった北川さんは、考えるようになりました。「どうやったらコピー機が映し出すまま立体にできるのか・・・」。

ある時、ふと「写真は見える世界をそのまま映しだせる。この写真をこうしたら、立体化できるのでは」とアイディアが浮かびます。そのアイデアを実際に試してみたくてしょうがなくなり、一念発起で会社を辞めてしまいました。そして開発担当として培ってきた経験や技術を総動員して試行錯誤を繰り返す日々。自宅で開発に没頭しました。

上海万博で見つけたライバル。

北川さんはまず、写真を立体にする技術をどの分野で生かそうかを考えました。前の会社でなぜ「人間コピー機」が話題になったのかを思い起こし、「一番技術が生きて、みんなをあっと言わせられるのは『顔』なのではないか。顔は世界に一つであるし、再現がかなり難しい。これができたらどんなものでも応用できる」とひらめきます。

そこから顔を立体でリアルに映し出す技術の開発が始まります。自分のアイディアと技術から1年ですべてのパーツの写真を立体にできるようになりました。このまま商品化してしまおうかと思っていた時、ライバルが現れます。

家族で上海万博に行った時のこと。展示物に蝋人形があり、自分の作ったものをどちらがリアルだろうと比べてみることに。「ほとんどが自分の技術のほうが勝っていました。しかし、その蝋人形は義眼を入れていたんです。目が負けてるやん!って思いました。その時の私の技術では目も写真でしたから、作り物感はありましたね。やはりリアルを追求するからには、細かいところまでしっかり表現しなくてはいけないと思ったんです」。

そこから目を本物そっくりに再現するために、さらに1年をかけ、ついに3DPF技術が完成し、「ザ・リアルフェイス」を商品として売り出すことになりました。

ピラミッドの遺跡調査にも3Dの技術を。

「浮かんだアイディアは実現させたいって思うたちなので、この技術もちゃんと社会に組み込めるか、需要になるのか。開発する時あまり考えていなくて。正直不安だったんです」。しかし、そんな北川さんの不安は払拭されます。商品をプレスリリースしたところ、たくさんのメディアから取材依頼が来て、また注目を浴びました。その情報をインターネットで見た世界中の人から、いろんな使用用途での注文が来るようになります。「最近では、スペインから依頼が来ましてね。その人はピラミッドの遺跡調査をしているそうなんですが、本物を傷つけたくないとのことで。壁画のレプリカの作成にその技術を使いたいって依頼が来ました」。
その依頼は現段階での技術では実物が大きすぎて対応できず、断ってしまったそうです。しかしその依頼から文化財の保存に一役買えるのではと考えます。ほかにも医療や研究の現場でこの技術を応用したいとの依頼も来ているのだそう。使えるようにするには、柔らかく、伸縮性のある素材に写真を転写できるようになることがこれからの課題です。「僕は世界にない、お手本のない技術を開発して、自分の存在感を形にしたかった。これが今までの、そしてこれからの僕を動かしています」。

メッセージ

株式会社REAL-f
所在地 〒520-0105 滋賀県大津市下阪本6丁目25-17-513
設立 2011年
事業内容 等身大の「リアルマスク」や「ヘッドマネキン」を製作・販売
株式会社REAL-f URL : http://real-f.jp/index.html/

編集後記 取材 ・栗山遠音|Photo : ムクメテツヤ (有)平塚正男写真事務所

 「早く結果出すのは大事であるが、うまくいく時といかない時がある。開発者はみんな自分を信じて開発している。大きな成功をした人は自分を信じることができた人。信じることは成功の十分条件ではないけど、必要条件ではある。そう思っています」。
最後に北川さんが取材の締めくくりとしておっしゃった言葉です。この言葉は自信ってなんだろうと考えるヒントになる言葉だなと思いました。

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