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強い想いが、世界で通用する日本文化をつくった。

プロフィール

丸若 裕俊(まるわかひろとし)

1979年8月生まれ。
クリエイティブ集団「丸若屋」を率いるプロデューサー。
未来•間•喜をコンセプトに、日本の技術と美意識を再構築すべく、浅草の前川印傳、九谷焼の老舗、上出長右衛門などの伝統工芸から、大田区の北嶋絞製作所などの日本のものづくりの最高峰とのコラボレーションを実践している。

日本の伝統工芸を世界に発信する仕事。

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 いま、日本の伝統工芸は市場の縮小や後継者不足など多くの問題を抱えている。そんなフィールドに20代にして飛び込んだのが、「株式会社丸若屋」代表取締役の丸若裕俊さん。「丸若屋」は日本の「ものづくり」をプロデュースするクリエイティブ集団。新進気鋭の彼は、「伝統工芸」の魅力に着目しプロデューサーという立場で精力的に取り組んでいる。これまで、九谷焼の窯元とスペイン人デザイナーとのコラボレーション作品「上出長右衛門窯 × JaimeHayon produced by 丸若屋」や、印傳という工芸技術を用いて、伝統工芸と現代のライフスタイルを組み合わせたプロダクト「otsuriki 前川印傳」などを手がけてきた。美術館に所蔵されたり、海外の展覧会に出品されたりすることで、日本の伝統技術が世界で注目されるきっかけとなっている。

きっかけは、日本の伝統工芸がくれた。

 丸若さんは大学卒業後、イタリアブランドのアパレル会社に入社。しかし、アパレル業界には、「流行」に合わせた商品展開をしなければならないことや、その速すぎるスピードに違和感を感じてしまったという。そこで、会社を辞め、以前から行っていたストリートアートの世界で自分を表現しするようになった。しかしニューヨークで生まれ育ったようなストリートアーティストたちには、日本人とは異なる光るセンスがあると感じた。その才能を目の当たりにした時、壁にぶつかった。自分が自分らしく、そして世界で通用するためにはどうすればいいか。
 ヒントは、幼少から身近にあり大好きだった日本の伝統工芸品にあった。海外のアーティスト仲間にそれらを見せる機会があった時、「これは真似できない」と感心されたという。「自分らしさを真剣に考える機会を与えてくれた伝統工芸に、自分は何ができるだろうか」。
 こうして丸若さんは伝統工芸にの世界に足を踏み入れることになった。そして、日本の伝統工芸や日本文化を猛勉強するようになる。

欲望のまま生きる。だから伝統工芸を残せる。

 なぜ伝統工芸品は何百年も受け継がれてきたのか。近世以前の日本人は、平均寿命も短かったので、必然的に自分たちの欲望に従順に生きた。さらに、江戸時代の鎖国を始め、時代ごとに置かれた独自の環境下で日本らしいものづくりが育まれた。これが丸若さんの見解だ。日本人的な感性を突き詰めて作られたものが、世界で通用し評価されているのだと言う。
 「僕は毎日その日の”リアル”を感じることを心がけています。過去と未来を意識することで現在がわかる。と同時に、毎朝起きた瞬間に、すべてを0から始める。固定観念にとらわれないためです」。世界で通用し、長く残るものをつくるために、現在を欲望のまま生きることで、かつての日本人の感性に近づこうとしている。
 「僕は毎日いつ死んでも良いと考えて過ごしている。100年後にもちろん自分はいない。でも伝統工芸は残っている。モノを通せば、過去に自分たちがいたことを証明できるんです」。丸若さんは多くの伝統工芸職人に協力してもらい、商品をプロデュースすることで、単に”モノ”だけでなく、日本文化の精神をも継承していこうとしている。

日本の伝統文化を伝える「よろずや」でありたい。

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 丸若さんにはビジョンがある。「地球儀上の境界線を無くし、みんなで0から新しいものを作っていきたいんです。ハイメ・アジョン氏と九谷焼の上出長右衛門窯とのコラボレーションもその一つ。”ガラパゴス”と言われることもありますが、閉鎖的な日本だからこそ培われた、良い意味での『尖った文化』だと思います。その感性を磨いて、世界に日本の伝統文化をプレゼンテーションする担い手となっていきたいですね」。
 また、自らの苗字の後ろに「屋」をつけて社名とした理由は、良質な日本の伝統文化を伝えていく「よろずや」になりたいという想いから。丸若屋という名の”のれん”を通すことで、新しいカタチで日本の文化を表現する担い手となる多くの人が活動出来ればいいと言う。「ビジネスにならない仕事もたくさん。だけど意義ある行動を理解してくれる人たちがいる。少しでも多くの日本の伝統文化を、新しく世界へ伝えていけたら」。丸若さんのこころざしは、これまでも、これからもずっと世界に向いている。

メッセージ

株式会社 丸若屋
所在地 〒111-0056
東京都台東区小島2-18-17木本ビル6F
株式会社 丸若屋URL : http://maru-waka.com/

編集後記 取材 ・中島明日香|Photo : 西村裕介

 自分の欲望に対して、とても正直に向き合い、そして信頼を寄せている丸若さん。感性に従って行動をして、物事を決断していく。それは時に勇気のいることだと思います。飽くなき追求をしていくことで、際立った個が生まれ、自分らしい生き方につながっているのだと思います。内にずっしりとした芯と情熱を感じる丸若さん。これからも世界に日本らしさを発信していってくれることを期待しています!

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