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プロフィール

小沼 大地(こぬま だいち)

一橋大学社会学部・同大学院社会学研究科修了。青年海外協力隊を経て、マッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。2011年3月、NPO法人クロスフィールズ設立のため独立。World Economic Forum(ダボス会議)のGlobal Shapers Communityに選出される。

『留職』で、新興国の課題解決に挑む。

その名も、留学ならぬ『留職』。留職とは、新興国のNPOなどに日本の企業から社員を派遣し、一定期間、本業で培ったスキルを活かして現地の人々とともに社会課題の解決に挑むプログラムのことです。今回は、そんな留職プログラムの企画と運営を一手に担うクロスフィールズの創設者、小沼大地さんに取材して参りました!

ビジネスとNPOの世界の橋渡しをしたい。

小沼さんがクロスフィールズを立ち上げるきっかけの一つとなったのが、中東シリアでの経験。小沼さんは大学卒業後、JICAの青年海外協力隊としてシリアへ渡り、現地のNPOで活動しました。「初めは、NPOとビジネスとでは交わる部分などないのではと思っていたんですが、そこで働くドイツの経営コンサルティング会社の社員と出会って考え方が変わりました」と小沼さん。ビジネスの力でNPOが課題を解決していく過程を知ったこと、そしてそのコンサルタントが生き生きと楽しそうに働く姿を目の当たりにしたことで、「NPOの世界とビジネスの世界を繋ぐ『何か』がしたい」と思うようになったそうです。その『何か』を突き詰め、小沼さんが辿り着いたのが”留職”でした。


そんな小沼さんに大学時代のことを伺ってみると…「大学では、一橋大学ラクロス学部という学部で勉強していたっていうくらいの勢いで4年間ずっとラクロスをやっていました」とのこと。ラクロス部では主将も務めたそうです!

「なので大学では99%は部活から学んでいたのですが、社会学からも物事を多面的に見るとか、どんな文化にも価値があるということを学びました。途上国に対しても、かわいそうな人たちという見方はしない。むしろ、日本の状況を批判的な視点で眺めることも多かったです」

ー今まで事業をやっていて、どんなことをやりがいに感じていますか?

「クロスフィールズをやっていて楽しいのは、やはり素敵な人にたくさん出会えることです」


今のパートナー企業さんやサポーターの方々とは、経済的なWin-Winでつながっているのではなく、「新しい価値観を生み出したい」という共感のもと、もっと心の根っこの部分で人と接することができるのが楽しいとのこと。「何か新しいものを作ろう」という気持ちを共有し、価値観の異なる途上国の人も一緒になって活動できることが特に小沼さんのやりがいにつながっています。

また、クロスフィールズの活動を手掛ける上での醍醐味は「応援されること」なのだそう。「例えば僕の前職はコンサルタントだったのですが、『コンサルティング会社で働いてるんです』と言っても『がんばって』と応援されることなんてなかったんです。けれども今はNPOでクロスフィールズをやっていると色々な人から『がんばってください』という言葉を頂きます」。例えば、中高時代一緒に野球をしていた同期やラクロス部の仲間などから突然facebookなどで「お前がんばってるらしいじゃん。応援してるぜ」といったようなメッセージを貰ったりもしたとのこと。

そこで小沼さんはクロスフィールズでの自分自身の活動に対して「これって部活に近いのかもしれない」と気付きました。新しい価値を作り出す事業に携わっているからこそ、スポーツ選手さながらに意外な友人やファンからのエールが届くものなのですね!

新しいフィールドで、新しいスポーツを始動させている感覚。

「言ってしまえばスポーツって、ラクロスでもアイスホッケーでも、何でボールを追いかけてるんだろうとか何でこんなに走り回ってんるだろうとか、何やってるのか訳わかんないですよね。こんなことしてても世界は変わらないだろうとか思ったりもするじゃないですか」

それでも多くの人々を夢中にさせ、感動を与える価値・魅力がスポーツにはある。そんなスポーツと同じように、クロスフィールズで人に勇気や希望を与える仕事ができている実感があって幸せだと小沼さんは言います。

ー今もなおラクロスの試合に臨んでいるような感じでしょうか?

「まさにそうですね。しかもゲームのルールから作っている段階という感じですね。応援する側もなにを応援していいのかまだ分からないかもしれないなぁ」


ということはラクロスというよりもむしろ、新しいスポーツを一から作り出しているかのような感覚かもしれません。

「『お前広大な敷地買ったな』みたいな感じで。そして現在はプレーヤーというよりも監督やプロデューサーのような立場からフィールドに立っています。対戦相手は途上国の団体かもしれないし、プレーヤーとして企業のどんな人を選ぶかなどマネジメントすることでチームを築き上げている最中です」

全く何もない所から少しずつ変わっていくのが楽しい、そんなふうに語る小沼さんの言葉と表情からも、新規事業を生み出し世の中に広めていく過程を心から楽しんでいることが伝わってきました。

最終地点は、クロスフィールズがなくてもいい世界。

小沼さんはまた、若者の可能性についてこんな話をしてくださりました。

「例えば、幼稚園児たちに『絵かける人—?』って言ったら全員手挙げるでしょ。小学校6年生くらいに同じことを聞くと『僕ちょっと得意じゃない…』 とか言ってその数がまばらになる。もっと大人に聞くと、一人も手を挙げなくなる。「絵を描けるって言えるのは画家だけ」と考えてしまうんです。でも、実際にはみんな絵を描けるはずなんですよね。その可能性に蓋をしてしまっているんです。日本の大学生も、学生時代に思いっ切りわけわかんないことを考えてやってみること、卑下せずに全力でのめり込むことに意味があると思います」

一方、小沼さんは「今日の常識は明日の非常識、今日の非常識が明日の常識かもしれない」と思って行動しているのだそう。「他の誰もが思いつかないようなことをしてみることに価値がある。でも裏を返せば、いま皆が正しいと思っていること、いま大多数が面白いと思っていることは何年後かには正しくないかもしれないということなんですよね。だから僕も『留職すばらしいね』ってみんなに言われ始めたらもう何か違うと思わなきゃいけない。悩んだらみんなとは違う方向に行くほうがいいと思っています」

ーでは留職も、今みんなからいいねって言われ始めたということは、そろそろ方向を変えていく予定なのですか?

「そうですね、まだ『みんな』というほどには言われていないですが、いつか方向転換が必要な時期は来ると思っています。ただ、今後何年かは留職をさらに多くの人と場所に広めていく予定です。クロスフィールズが存在しなくてもいい世界が来ることが、クロスフィールズの最終目標です」

メッセージ

特定非営利活動法人クロスフィールズ
所在地 〒141-0031 東京都品川区西五反田3-8-3 町原ビル5F
事業内容 ・新興国「留職」プログラムの企画・運営事業
・BOP課題解決ワークショップの企画・運営事業
・法人(企業/非営利団体)向けコンサルティング事業
会社URL : http://crossfields.jp/

編集後記 取材 ・永岡さやか|Photo :市川智也(from AgeHA graph)

 まるでチームスポーツを指揮しているかのようなアツい想いが伝わってくる取材でした。 部活動に熱中していた学生時代の小沼さんがいたからこそ、今のクロスフィールズがあるのだと感じました。今後クロスフィールズが、更に多くの人へあらゆる領域の枠を越えた経験を提供していくのがとても楽しみです!

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