こころざし応援団

twitter

衣装協力

  • ragtag
  • j.ferry
  • rochel
  • lipstar
  • coohem
  • peopletree

プロフィール

一岡 亮大(いちおか りょうた)

1986年生まれ。
2006年大学在籍時SaaS事業の会社を設立、システム開発。2010年大学卒業後、三井住友銀行入行、法人営業を務める。
2011年6月に株式会社MUGENUPを設立。「プロダクトがデータから作られる時代の、デザインデータメイカー」をテーマに法人向け2D・3D制作プラットフォーム「MUGENUP station」(https://station.mugenup.com/)を展開している。

“作る”を創る。

最近世間を賑わせている“ソーシャルゲームアプリ”。アプリの魅力の1つとして、次々と登場する独特な世界観をかもしだす美しいイラストや3Dキャラクターがあげられますよね。そのため、クリエイティブ面をデザインをするクリエイターには、いかに早く、美しく、大量に、が求められるそうです。そこで株式会社MUGENUPはゲームのクリエイティブ面を各工程で分業し、インターネットを介して、数人のクリエイターが協力して制作する、という画期的なシステムを生み出しました。今回は株式会社MUGENUPを立ち上げた一岡さんのこころざしを探ります!

仲間の活躍で、腹落ちした。

1986年生まれの一岡さんが大学へ入学したころというのは、ライブドアショックが起きたり、若手起業家が注目されたりと、大学生の間では“起業サークル”が大流行。一岡さんも起業サークルの一員で、学生時代に起業し、SaaS型の居酒屋顧客管理サービスを開発します。しかし、サービスの営業を出資元の会社が全て行っていたため、客先の意見を直接聞くことがなく、出資元の会社から指示をうけ、それに従って開発をすすめる、という受託会社のような体制に面白みを感じられず、結局会社は売却したそうです。
そんなこんなで就活シーズン。「起業してみて、自分には会社運営に対するマネジメント能力がないなぁと感じました。そのため、マネジメントを学びたいと思ったので、なるべく多くの会社に触れられる、法人関係の仕事ができる会社にフォーカスして就活していました」と、大手銀行の内定を受諾します。
入行して1年ほど経とうかというとき、日経新聞をパッと開くと、学生時代に仲の良かった人たちが若手起業家として注目されている記事を発見。「そのときは純粋にくやしいなぁと思いましたね。ちょっと前まで隣にいたやつが世の中を動かしているとメディアに取り上げられていて、その一方で自分は銀行マンとして研修の日々。そう感じたときに腹落ちしたんです」

ー腹落ち、というと?

「銀行でやりたい仕事が、映画ファンドとかアイドルファンドのような、ニッチなファンドをつくることでした。そういったファンドをつくるのに、あとどれくらいかかるか上司に尋ねてみたところ、返ってきた言葉が“10〜20年くらいしたらつくれるんじゃん?”という曖昧なもの。いやいやそんなに待てないよ!と思いましたね。僕はすぐにスキームを作れないなら、もう自分でやるしかないと感じて、入行してちょうど1年後に退社し、会社を立ち上げました」

ー退社前からビジネスを練っていたってことですか?

「いいえ、全く練ってないです。1年目のボーナス42万でとりあえず会社をつくったんですよ。プログラミングは多少出来たので、1つアプリをつくって、それを広告塔として仕事をちょこちょこもらっていました」

クリエイターの、スキルのデータベースをつくる。

ーでは、どのようにこのビジネスが生まれたのですか?

「カード形式のソーシャルゲームをつくっていたとき、ゲームのシステム面は納期通りに終えたものの、友人に頼んだ肝心のカードデザインが全くできていなかったことがありました。その友人、キャラクターデザインは早いのですが、塗るのにとても時間がかかっていたんです。そこで、塗りの部分だけ美大生に頼んでみたら、すごく良いものが早く仕上がったんです。そのとき、“クリエイターさんにも得意不得意がある”ってことに気がつきました。1人で全て完璧にデザインできる人なんてほんの少ししかいません。だったら、そのクリエイティブを分業化して制作できないか、というのがきっかけです」

ー制作工程の分業化には、どのようなメリットがありますか?

「カードゲーム業界は、システムを変えずにクリエイティブだけ変えることが主流なので、早く大量に新しいカードをつくり続けることが求められます。3か月でポケモン2世代分つくるような世界です。2年かけてつくったMUGENUPの制作プラットフォームでは、早く大量に、質の高いデザインを実現できます。また、クリエイティブで稼ぐって実はとても大変なのですが、制作行程を分解し、なるべく多くのクリエイターが携わることで、純粋に雇用を増やしていると思います」

ーMUGENUPの制作プラットフォームの強みはなんですか?

「クリエイターのスキルのデータベースをもっていることです。各クリエイターがどの分野を得意としているかが一目瞭然になっています。クリエイターは自分のポートフォリオを提出したり、能力検定の課題を受けたりするたび、“線画”“カラー”“ファンタジー”など、得意分野のタグ情報が付きます。そのことで、各クリエイターのテイストにあった仕事を提供することができるのです」

ーそのタグ情報をもとに、制作ラインを組むのですね?

「クリエイターが自身のスケジュールを登録することで、プロジェクトごとに自動で制作ラインを組むことを目指しています。ちなみにこのシステムは自社開発のSNSで、多言語対応であったりします。」

ー主にカードゲームのみを取り扱っているのですか?

「やはりソーシャルゲーム関係の取り扱いが多いのですが、最近では出版や3Dのリアルプロダクト系も手がけています。取っ掛かりがイラストだったというだけで、ゆくゆくは建築模型や部品、歯型など、様々なプロダクトに適応できると思っています。僕らは“デザインデータメイカー”。デザインデータをビッグデータ化して、解析し、最適なものづくりをすることが僕らのミッションですね」

ー制作プラットフォームという仕組みをつくったことが成功の鍵でしょうか?

「ITビジネスを成功させるには、楽天とヤフーとリクルートができないことをやるしかないと思います。サービスは圧倒的に得意な3社ですが、人を介在することには弱いんですよね。なので、より深いレイヤーの仕組みをつくることで、他社に攻め込まれづらいし、ビジネスとしてセクシーだと思います。結局、何をアセットバリューとするかが重要で、僕らにとっての資産はクリエイターのデータベースです」

ーちなみに“MUGENUP”という社名の由来は?

「今はベンチャー企業が多いので、30〜40代の人が一回聞いただけで覚えられる社名にしたいと思いました。その世代の人は絶対ファミコンかスーファミをやっていた世代なので、マリオブラザーズの裏技“無限1UP(無限アップ)”から取って“MUGENUP”にしました。少しマーケットを意識しています」

ビジネスは恋愛と一緒。“好き”か“嫌い”か。

ー一岡さんの周りで就職か起業か迷っている学生がいたら、どちらを勧めますか?

「就職するか迷っている時点で就職した方が絶対いいですよ。起業は、誰でもいつでもできます。でも、就職っていつでもできるわけではありませんよね。悩むくらいなら就職して大企業、業界トップの会社へ行くべきです」

ー業界トップですか。

「そもそも業界トップに入れないようであれば、何か色々足りていない証拠。業界トップの人たちの仕事術を学ぶ、というのはビジネスをする上でとても重要なことだと思います。起業するって、要はアーティストみたいなもので、自称は誰でも言えます。“社長”に特別なバリューがあるわけではありません。周りに認められたことによって、初めて“起業家”というバリューがつくのです」

ー周りから認められてバリューがつくという点で、“建築家”みたいな感じですね。

「そういうことですね。要はただの職業の差。社長なんて世の中にたくさんいますし、合コンでモテるわけでも、金持ちになるわけでも、必ず注目されるわけでもない。起業すること自体は誰でもできることなので、“社長”という地位に過剰に期待するべきではないですね。一つの会社でトップになることと、起業家のトップになること、どちらも同じくらい大変で、難しいことです。そこまでの腹落ちができていないと、うまくいかないと思います」

ー一岡さん自身は、大企業での社会人経験は役にたちましたか?

「どこへ行っても失礼のない社会人マナーが身に付いたと思います。例えば私がいた会社では、資料のホチキスの位置がずれていたり、エクセルの表の余白がずれていたりするだけで、最初からやり直し。とても厳しいように感じるかもしれませんが、そこまで気を使えない奴は客先に出せないということです。それが一流の仕事なんですよね」

ー起業したい学生に伝えたいことはありますか?

「学生のうちはチャンスがあったら飛びつくくらいの柔軟なスタイルをもったほうがいいと思います。ビジネスも音楽や恋愛と一緒で、好きか嫌いかの判断で突き進めばいいんですよ。ビジョンや理念にとらわれすぎると逆に損すると思います。エモーショナルなところを大切にしていれば、結果はおのずとついてくるはず。好き嫌いで人生を生きていくことが1番ですね」

メッセージ

株式会社MUGENUP
所在地 東京都新宿区西新宿6-15-1セントラルパークタワー ラ・トゥール新宿 608
URL http://mugenup.com/
事業内容 キャラクターのローカライズコンサル
ソーシャルアプリ開発

編集後記 取材 ・細川芽衣|Photo : 市川 智也(from AgeHA graph)

とっても気さくで面白い一岡さん。笑い声の絶えない楽しい取材でした!それにしても自動で制作ラインができてしまうとは…驚きを隠せません。MUGENUPの今後の活躍に期待です!

pagetop