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プロフィール

大滝 由子(おおたき ゆうこ)

大阪芸術大学卒業。
紙袋作家
ブックデザイン・パッケージデザイン
イラストレーションなども手がける。
紙袋を使用したビジュアル作り(雑誌等)
現在PHPスペシャル巻頭にて『紙袋ガール』連載中。

taki*corporation
紙袋作家の大滝由子と写真家の大滝央子によるリアル姉妹ユニット。
紙袋を用いて演出した空間を写真に閉じ込めた独自の世界観が話題になり、
装苑・オズマガジン・ファッション通信ほか、多数の媒体で取り上げられる。
また姉妹音楽ユニット“ナイアガラ交響楽団”としても活動。iTunesで音源配信中。

アートの観点から紙袋を捉える。

紙袋というと、何を思い浮かべますか?
買い物をするともらえるショッピングバック。ラッピング袋。どちらも、常に私たちの身近にあるものですよね。そんな紙袋に、アート作品として注目したのが紙袋作家、大滝由子さんです。由子さんは現在フリーで活動しており、紙袋を使った雑誌の連載やブックデザイン、ワークショップなど、その活動の幅は多岐にわたります。また、写真家である姉の央子さんと共に姉妹創作ユニットtaki*corporationとしても活動しています。今回の取材では、大滝さん姉妹のアトリエにお邪魔しました。部屋のいたるところに素敵な紙袋や写真があり、温かみのあるとても素敵な空間で、お話をうかがってきました!

最初は自分のつくったものが恥ずかしかった。

「小さいころから絵を描くのは好きでしたが、ノートの端に自由に描いていたくらいですね。作品として発表するレベルのものを描いていたわけではありませんでした。高校1年生までは、OLになって事務職をやろうと思ってましたね」。
そんな由子さんが芸術大学に進学を決めたキッカケは、姉の央子さんからの言葉でした。「姉は東京の大学に通いながらアートに興味があって、美大っておもしろいらしいよ、とすすめられました。自分も美術や図工は好きだったので、いいかもしれないと思ったんです。姉のところへ遊びにいくと、映画館や現代美術館に連れていってくれました。そのうちに美大へ行くイメージもわいてきたんだと思います」。
美大へ進んだ由子さんが、アート作品として紙袋をつくろうと思ったのは大学3年生のときでした。「高校生のころから、平面で何か表現したいというよりは、空間で魅せるものをやりたい、そして1人よりみんなでつくりあげるものがいいという気持ちはもっていました。でも大学に入ると、周りは優秀な人たちばかりで圧倒されました。最初の3年間はそうやって悶々としてました」。作品をつくることが楽しいというより、自分のつくったものが恥ずかしいという思いの方が強かったという由子さん。「でも、食品パッケージの授業は得意だったんです。自分の絵は平面におとしこまれるより、立体になった方がいいんだなと思ったんです」。そこで目をつけたのが紙袋というアイテムでした。「平面と立体の両方の要素を持っていて、空間もデザインできる。なおかつ紙は量産されるから、たくさん作れる。これだ、と思いました」。

卒業ギリギリまで仕事は決めなかった。

大学時代、就職活動はしたものの、行きたいところには行けず意気消沈していまった由子さん。「就職するために何をすればいいか分からなくなって、とりあえず卒業制作にとりかかりました。卒業ギリギリまで仕事は決めませんでしたね。」卒業後、由子さんは出版社に入社し、雑誌の演劇ジャンルを担当しました。「本当に未熟だったから、何かつくれればよかったんです。自分が何をつくりたいかとか、どういうテイストを極めていこうかとかしか考えてなくて、仕事のことは考えていませんでした。でも、仕事するなら、たくさんの人の目にとまるものがいい。そう思って雑誌を選びました」。最初は、仕事で抱えた嫌なことを、紙袋作りで発散していたそう。「雑誌の仕事をしながら、やっぱり自分の作品を作りたいと思うようになりました。だから作品作りに活かせる仕事にシフトしようと思ったんです」。そうして由子さんは、グラフィックデザインの会社に転職。紙袋作りと両立しながら、個展をひらくようになっていきました。「最近は、仕事と紙袋作りの垣根がなくなってきましたね。それまでは、自分の欲求を満たすためだけに作っていましたが、紙袋作家と呼んでもらえるようになり、今はより多くの人に作品を見てもらいたいと思うようになりました。紙袋を使った舞台セットや広告がもっとあってもいいと思います」。

悔しいと思う。それが原動力。

自分の好きなことを仕事にするって、大きな勇気と覚悟がいることだと思います。他人と比べたり、比べられたりするなかで、自信をなくしてしまうこともあるのではないでしょうか。「ジャンル問わず、音楽でも絵画でも服でも、作られているものに対しては、自分が刺激された瞬間に悔しいって思います。どうしたらここにいけるんだろうって。自信はいつもありません。自分の頭の中にあるもの以上のものが出来ない悔しさ。もっとできるのに、頑張れるのにって思う悔しさを常に抱えています。でもそれが作品をつくる上での原動力になってるんだと思います。悔しいと思ううちは、自分と闘っているんです」。3年前、由子さんは紙袋作家をやめてもいいと思った時期があったそうです。そのとき出逢ったのが、荻窪にある『6次元』というカフェの中村さんと道前さん。「中村さんに作品を見せたときに褒めてくださって、いろんな人を紹介してくれたんです。自分の中で完結していて分からなかったことが、見てもらうことで分かるようになっていきました」。やりたいことを実現するためには、考えるより手を動かすことだと、由子さんは言います。「考えていたら一生できないと思います。作品の発表にしたって、満足できるようになってからだと進みません。常に過程でしかないんです。今の私だってそう。途中経過をどんどん見せていくことです。たくさんの人に会って、自分はこんなことがやりたいんだよって、言いふらすことも大事だと思います」。
今後由子さん、そして紙袋がどんな過程を辿っていくのか、とても楽しみです!

メッセージ

taki*corporation
 http://takicorporation.com/

編集後記 取材 ・張佳翔|Photo : 市川 智也(from AgeHA graph)

とても楽しい取材でした!由子さんは、ふんわりとしたやわらかい外見からは想像できないくらい、芯が強くてブレない本当に素敵な方でした。「刺激された瞬間悔しいと思う」という言葉が強く響きました。私は、感動するだけだったので…。ものをつくる人、生み出す人とは、こういう感性をもった人のことをいうんだろうなと思いました。由子さんがつくった紙袋もすごく素敵なので、みなさんぜひ一度、ご覧になってください!

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