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プロフィール

中嶋 築人(なかじま つきひと)

1998年、慶應義塾大学総合政策学部を卒業。マッキンゼー・アンド・カンパニーに勤務後、渡米し、マセチューセッツ工科大学(MIT)大学院修士号(都市計画)取得。その後、アリックスパートナーズでバイス・プレジデントを務めた後、アパレル業界に入る。セシール、モバコレ(当時DeNA・千趣会合弁会社)社長を経て、2011年4月、ワールドの出資により株式会社ファッション・コ・ラボを設立。代表取締役社長に就任。

設立1年で急成長!

2012年3月には、ファッションコマース専業サイトとしてZOZOTOWN(スタートトゥディ)に次ぐ業界2位になるなど、2011年4月に設立されてから急成長を続ける株式会社ファッション・コ・ラボ。通販サイト:ファッション・ウォーカーを筆頭に、様々な通販サイトを運営し、その活動の幅はいまや日本のみならずアジアにも広がっています。かくいう筆者もファッション・ウォーカーのファンの1人。深夜通販って楽しいんですよ(笑)そんな注目度大!の株式会社ファッション・コ・ラボを立ち上げた、中嶋さんにお話を伺ってきました。

コンサルの経験を活かして、ファッション業界へ。

「世の中を変えたいという願望と、自分ならできるんじゃないかっていう青い自信が昔からあったんです」。そう語る中嶋さんはとてもユニークな経歴の持ち主。学生の時は政治家になるのが夢だったそう。大学卒業後は、コンサルティング会社のマッキンゼー・アンド・カンパニーに入社。その後、留学し、セシールを経て、ファッション通販に興味を持ったことでモバコレの社長に就任。しかし、DeNAグループがゲーム強化に方針が切り替わり、モバコレの全株を千趣会に譲渡したことを機に、起業を決意したそう。
「僕はモノを売り続けたかったんです。単純にソーシャルゲームに興味がもてなかった。僕は意外と保守的で(笑)、自分の子供が没頭してしまったら少しいやかも、と思うものを事業として推進することに意欲がもてなかったんです。それでDeNAをやめた。モバコレにいたときは、それほどお客さんにモバコレじゃなきゃだめだという価値を作りきれた自信がなく、やりきった自信もなかった。要はまだまだのところで消化不良だったわけです(笑)。そんな悶々としているところでワールドからお声掛けを頂きました。ファッション・コマースという業界の可能性や見立てについてお話をしていると、「それ、うちでやったらええ」と言われました。自分でやりたいと思っていることをそのままやらせてもらえる、俄然、興奮しました。そして二つ返事でお世話になろうと決めました。本当に思いだけで作った会社なのですが、ワールドが出資してくれて、一緒に働いてくれる仲間にも恵まれて、いい会社の基盤は最初からできていたのかな、という気はしています」。

―どうしてファッション業界に興味を持たれたんですか?

「厳密に言うと通販というものに興味がありました。ダイレクトマーケティングの手法を使いながらデータ分析によって事業の価値をつくる、というのは、もともとコンサルということもあって、相性があった。そんな気持ちでセシールにマーケティング責任者(CMO)として入り、いい仲間に恵まれ、さまざまな改革に取組みました、そして次のモバコレは、よりファッションというかブランドビジネスの中に入っていき、自分とはまったく異なるバックグラウンドだけど、そんな自分に胸襟を開いてつきあってくれる業界の仲間も徐々にできはじめました。この異質な仲間が集まって、強みと弱みを補完すれば、きっとおもしろいことができる、そんな思いに至ったわけです。どちらかというと、高学歴な頭でっかちって最初思われていたと思うんですが、クラブとかで一緒にどんちゃんやって、呑みつぶれてクラブのトイレから救出してもらって…。そんなことしながら、なんとなく仲間として受け入れていってもらったように思います。データに基づく科学的経営、それだけではつまらないし、もっと事業ってウェットなもので、何よりもハートでするもんだっていう当たり前のことをこの業界にきて、ようやく勉強させてもらえた。これが残っている理由ですかね」。

―中嶋さんにとって、ファッションとはなんですか?

「『街に彩りを与えて、心を明るくするもの』って本気で考えています。3.11の震災のあと、正直会社を設立するかどうか迷いました。しかし、「こんなときだからこそ、おもしろい会社をつくるんじゃないか」と背中をいろんな人に押してもらいました。3.11のあとこそ、ファッションを通じて、世の中を明るくしたい、と強く思ったわけです。だから、通販や小売っていうのは変わるかもしれないですけど、ファッションっていう基軸は意地でも変えたくないですね。そして、ファッションの定義って広く考えた方がいいと思うんです。服とか鞄とか靴とかだけじゃない。例えば、女の子がフェイスブックで写真を挙げて皆に見せたがるものは全部ファッションだと思うんですよ。皆に共有してこれいいよって言うものは。ファッションの垣根っていうのはすごく広がっているので、けっこう広くゆるやかに定義した時には、もっといろんなおもしろい組み合わせだとか、いろんな事業が生まれるだろうな、と思っていて。物だけ扱って左から右に流しているだけではやっぱりつまらないな、と思います」。

「当たり前の顧客満足」は、当たり前の努力じゃ得られない。

―「おもしろい」とは具体的にどういうことですか?

「日本のファッションマーケットで世の中の人がアッと言うようなおもしろいことって、まだいくらでもあると思うんです。結局、ファッション通販でおもしろいことを追及していくと、ぶっとんだものばかりがおもしろいことじゃないなあって。実は、最近僕らがどんなおもしろいことをしようとしているのかというと、顧客満足度を上げていく改革が1番急務だと思うんですよ。アメリカにはザッポスという通販会社があって、販促費ゼロで急成長をとげている。そのマジックはというと、高い顧客満足をつくるカスタマーサポートであって、自律的にお客様のことを考え、正しいと思ったら何でもやっていい権限を与えられている。こうしたことができるのは、この会社が採用プロセスに特に重点を置き、価値感の刷り合わせをおこないザッポスという会社の価値感にぴたりと合う人のみを採用していることが大きな鍵です。顧客満足最大化っていう当たり前のことをちゃんと組織×人×仕掛けで担保している。顧客満足度最大化というのは当たり前ですが、実践し、本当にお客様にご満足いただくことは当たり前のことじゃできない。満足していただくためには、相当の努力や工夫をしないと、評価してくださらない。今の時代、それだけ魅力的なサービスが溢れている中で、ファッション・ウォーカーのサービス水準はすごく高い、あそこいいよってお友達に紹介してくださるようなサービスを作り上げることは、実はすごく難しい。ずば抜けてすごいテクノロジーを駆使したり、技術的に驚きを与えたりしなくても、当たり前だと皆が思っていることをすごく徹底的して磨きあげると、皆が感動する。これは小売の原点だと思うんです。小売が仲立ちしているだけだったら、付加価値はない。付加価値は世の中で簡単に差別化なんてできないし、ここでしかできない小売ってなかなか難しい。唯一できるのが、当たり前のオペレーションプロセスを誰よりも早くきっちりと磨き上げていくことによって、時間差で勝つことです。そういう会社にしたいですね」。

―最後に今の学生に向けて、なにかメッセージをお願いします。

「最近は女の子の方がたくましいって印象を受けますね。うちの会社でもそうなんですけど。たくましい、たくましくないっていうのはなにで見ているかというと、夢の見方です。女の子はそんな壮大な夢を描いているわけじゃないけど、地に足がついていて、現実のステップ感がすごくしっかりしている。流行に流されて、皆がいいと言うものに乗っているだけだと、おもしろいことはできない。既成事実にとらわれるのではなくて、自分の頭で、自分にはなにが合っているのか、真剣に考えることが大切だと思います。それは1つのリスクでもあるわけですが、周囲を見ていても、リスクを背負いながら入った人は、自分でなにかを組み立てて、自分の力で前に進むっていうはっきりしたおもしろい人が多いです」。
政治家になる夢を放棄したわけではないと言う中嶋さん。事業家をやり遂げた後は、政治家か大学教授になるのが夢だそう。
「したいことは一緒ですね、自分で世の中を変えていくか、人を育てて変えていくか、です」(中嶋さん)。
根底にはいつも変わらない熱い思いがある。これから中嶋さんは、どんな世の中を私たちに見せてくれるのでしょうか?わからないけれど、きっと、今よりおもしろい世の中に違いないです!

株式会社ファッション・コ・ラボ
URL http://www.fashion-co-lab.jp/

編集後記 取材 ・永口香織|Photo : 粕川 真

実は私のストレス発散法は、深夜のファッション・ウォーカー。服も気づけば通販で買ったものばかり。そんな常日頃お世話になっている通販サイトの社長、中嶋さんにお話を伺うことができるなんて!とどきどきの初取材でした。ところが、温かくておちゃめな中嶋さんの人柄に触れ、ますますファンになってしまいました!帰ってから、さっそく購入ボタンをポチッと押したのは秘密です(笑)

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