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地域のために今なにができるのか。
創業74年目、新事業創業に伴う
リブランディングプロジェクト。

CLIENT:株式会社ナウエルさま

  • 企業ブランディング
  • 山形県

株式会社ナウエルは、1946年に創業。以来、山形県米沢市を中心とした置賜(おきたま)地域に寄り添う互助会として、冠婚葬祭やホテル・レストラン事業を運営してきました。冠婚葬祭の観点から、地域に深く貢献し、置賜地域の人々に愛され続けてきたナウエルでしたが、新型コロナウイルスの影響で、全国的に婚礼や葬儀の数が激減。改めて、自分たちの「使命」や「事業のあり方」を見つめ直し、新たな事業を創業することを決めました。そのタイミングで、リブランディングプロジェクトのご相談をいただきました。

#1. ご依頼のきっかけと課題感

新事業構想のきっかけは、コロナによる世の中の大きな変化でした。「一時的に耐えしのげばいいわけではなく、世の中の考え方そのものが大きく変わり始めている。そのような状況下で、今後もすべての従業員の雇用を守り続けるためには、ホテルや典礼ホールなどの固定資産に頼った事業だけでは立ち行かない可能性がある。だからこそ新たな事業の創業が必要だった」と、同社の酒井社長は語ります。冠婚葬祭という観点では、地域に貢献できているかもしれないが、愛する置賜地域の人たちの本当の課題は、別のところにあるのではないか。地域の人々の本当のニーズは、人生の節目といった「点」だけでなく、日々の暮らしの「線」にある。そういった考えから、訪問介護や家事代行を請け負うサポート事業の構想がはじまりました。

パラドックスにご相談があったのは、2020年6月末。「新事業の創業にあたり、ナウエルの新たなミッションをつくりたい」とのご要望でしたが、新事業の社内告知は2020年6月、事業開始は同年の10月を予定しておりました。通常半年で行うプロジェクトを、3ヶ月で実施するにあたって、まずは、求める成果に対して必要なものを絞りました。新しい事業は、訪問介護事業で、ナウエルとしては、初めての取り組みです。なぜ「ナウエル」がやる意味があるのか、という大義を言語化する必要があったため、ミッション策定からスタート。限られた時間を効率的に活用するために、事前のお打ち合わせやフロー設計は、オンライツールを活用。一方で、実際に理念を決めるセッションパートは、参加者の想いや熱量を込めていくために、オフラインで行いました。

#2. プロジェクトの内容

プロジェクトは、下記のフローで進めていきました。

 

① 事前ヒアリング〜理念・ロゴ制作合宿最終検討セッション
② クリエイティブ制作

 

①事前ヒアリング〜理念・ロゴ制作合宿〜最終検討セッション

事前のヒアリングはオンラインで行なった後、一泊二日の合宿形式でのセッションを実施。ミッション・スローガン・ロゴの考察を行いました。今回のセッションは、メンバーの皆様と一緒に思考プロセスを体験できるような設計になっています。具体的には、セッション内容や議論をこちらから提示するだけでなく、スライドに言葉を書き、画面に映しながら、その場の意見をダイレクトに反映。コピーライターが書いた言葉を選ぶのではなく、自分たちも手を動かし、文字通り共創しながらワーディングを進めていきました。また、ロゴに関しても、叩き台の案をもとに、付箋に絵を描きながら新生ナウエルを体現する形を検討。体験型のワークショップを通じて思考を深めながら、短期間でも納得のいくアウトプットを突き詰めていきました。体験型のワークショップを行いました。

新たなミッションを策定する上で気をつけたのは、既存事業(婚礼・葬儀・ホテル等)と新規事業(訪問介護・家事代行)の関係性です。の関係性です。両事業の共通点を考えた結果、これまで婚礼や葬儀でも大切にしてきた、その人「らしさ」を常に見つめ続けるというナウエルの姿勢が見えてきました。また、自分たちから愛する置賜の人たちとつながっていき、その「つながり」の輪を大きく広げていこうという意志が、ミッションには込められています。一方で、ロゴとともに使用するスローガンは、事業内容をわかりやすく伝える「人とくらしの伴走者」という言葉に決定いたしました。

▲理念ポスター。

また、ロゴに関しては、行動指針としてあった「5つの喜び」をブランドパーソナリティー(企業の人格)として言語化して、それに紐づいたカラーを選定。お客様とナウエルを表すオレンジと黄色の2色をキーカラーとし、「人」「ハート」「ナウエルのL」を表すモチーフが、つながり、編みこまれ、広がっていくという意味を持たせています。

② クリエイティブ制作

ミッション・スローガン・ロゴ策定後、理念カード・ポスター・リリースムービー・TVCMなど、クリエイティブを制作いたしました。その際に意識したことは、リブランディングとしての「新しさ」と、ナウエルさまがこれまで築いてきた「らしさ」や「DNA」の両立です。セッションで決定した新たなミッションを起点にしながら、以前からある行動指針をから紐解いたブランドパーソナリティを表現できるようなVIを設計。それを、各種ツールに落とし込んでいきました。

▲理念カード。

▲ミッションストーリーを映像化。

▲10月から配信された、ナウエルの新しいTVCM。

#3. 成果・お客様の声

2020年9月30日、訪問介護事業の認可がおりた同日に、社内でのキックオフイベントが開催されました。イベントでは、社員の皆様が新しいナウエルカラーのマスクやバッチを着用し、ミッションストーリーの映像や、10月から配信されるテレビCMが放映され、無事に新たな門出を迎えることとなりました。キックオフでの酒井社長のスピーチの一部をご紹介いたします。「今回のリブランディングは、決して過去を否定するものではありません。先人たちが残してくれた財産と、皆様の今日までの頑張りと意志を受け継いで、明日から新生ナウエルが始まります」。「すべての方の「らしさ」を最大限に活かしながら、私たちの仕事を通じて、人とつながり、人をつなげ、そしてよりよい社会をつくっていくために、共に頑張っていきたいと思います」。パートナー企業さんや置賜の方々からも「ナウエルさん、すごく変わりましたね」というお話をいただいているとお聞きしています。今後も、パラドックスが伴走させていただきながら、ナウエルさまがより一層、置賜の人々にとってかけがえのない企業となることを願っています。