株式会社パラドックス

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仕事ではなく、人生のキャリアを支援する。
社員の意識統一と、事業の差別化を図る
トータルブランディングプロジェクト。

CLIENT:株式会社スタッフロールさま

  • インナーブランディング
  • 愛知県

スタッフロールさまは、人生や仕事に悩みを抱える人に向けて、「自分の人生」と出会うためのサービスを展開しています。事業のひとつとして、うつ病等の気分障害の方に向けた社会復帰支援プログラムを実施。名古屋駅の近くにある「Views(ビューズ)@名駅」(以下Views)という名古屋市指定の福祉事業所で、学校や職場とも、家族や友達とも異なる、第3のコミュニティとなることを目指し、利用者が自分自身を見つめ直す場を提供しています。

1課題

代表が交代をするタイミングで、ブランドづくりに関するお問い合わせをいただき、課題の抽出から開始。ヒアリングを通して見えてきたのは、スタッフ間のサービスクオリティをいかに平常化するか、という課題でした。スタッフの持つ「誰かのためになりたい」という強い想いが、サービスのばらつきの原因になることがあり、組織として目的の明確化が必要でした。そこで、自分たちの想いを言語化し、共有するための理念策定プロジェクトを開始しました。

2理念の言語化

理念を策定するにあたり、最初のステップとして実施したのは、DNA抽出のためのインタビューです。社員だけでなく、Viewsに通っているメンバーや卒業生、企業パートナーの管理栄養士、キャリアコンサルタント、財務コンサルタントの方まで、会社に関わる方々10名以上に取材することで、企業の特徴を立体的に捉えていきました。

取材から導き出されたのは「うつから職場への復帰を促す」という一般的な施設の考えと異なり、その人が本当に望んでいる「人生への復帰を目指す」という想いでした。

理念の策定においては、その想いを起点に、企業の目的(ミッション)や目指す未来(ビジョン)を言語化。社員のみなさんとセッション形式で何度も話し合いを重ねた結果、同業他社との差別化だけでなく、真の目的を再確認することにもつながりました。最終的には、ワードをブラッシュアップし独自性の高い理念となりました。

3理念カードの制作

理念はできあがってからがスタート。社内への浸透を図るため、携帯可能な理念カードを制作しました。デザインコンセプトは「人生の幕開け」、理念の言葉のように、自分の人生の幕があがり、上向きになっていくことを表現しました。

4事業コンセプト

理念の言語化で、企業としての考え方は明確になりましたが、サービスを象徴する社会復帰支援施設Views(ビューズ)に関しては、課題が残っていました。他の支援施設やクリニックと比べたとき、独自性の高いサービスを行っていることが、利用者に伝わっていなかったのです。

そこで実施したのが、よりわかりやすく伝えるための事業コンセプトの策定です。理念策定よりもさらに深く、サービスに特化したセッションで、独自性を突き詰めていきました。特にViewsの特徴となっていたのは、プログラムの内容です。うつの症状を持つ人に対して、なるべく刺激を与えないという施設もある中で、スタッフロールでは様々なチャレンジの機会を与えることが多かったのです。うつの人だからそっとしておくのではなく、あえて人と会話する機会をつくり、自己理解のヒントを提供する。それは、理念にあるように、自分らしい人生を歩んでほしいという想いがもとになっていました。

働くためではなく、自分らしい人生を生き抜くための方法を提供する場を提供する。一人ひとりの仕事のキャリアではなく、人生のキャリアを支援していくという姿勢を表現し、「life career support」というコンセプトができあがりました。

5得られた成果

理念をコーポレートサイトに掲載することによって、社員のみなさんが自分たちの価値をより明確に認識できるようになりました。

また、クリニックからViewsを紹介してもらうときも表現しやすくなり、マッチングの効果が上がったという声もいただいています。スタッフロールの考え方に共感し問い合わせする利用者も増加。社内だけでなく社外にも効果が生まれています。

2020年には東海地方のテレビ番組に出演するなど、さらなる盛り上がりを見せています。