株式会社パラドックス

HOME > ブランディング事例 > UTグループ株式会社さま

「人」で語る、熱き25年。
資産を再認識し、
未来へつなげる周年プロジェクト。

CLIENT:UTグループ株式会社さま

  • インナーブランディング
  • 東京都

UTグループ株式会社は、1995年の創業以来、製造業にフォーカスした派遣請負事業で多くの雇用を創出してきた会社です。「はたらく力で、イキイキをつくる。」というミッションのもと、派遣社員の「正社員雇用」や「社会保険完備」、さらには業界初の上場など、業界の常識を変えるさまざまな挑戦を続けてきました。ITバブル崩壊、リーマンショックといった数々の危機に直面してきた業界の中で、その危機を好機と捉えて成長の一途をたどってきたUTグループ。その創業25周年として、プロジェクトの依頼をいただきました。

1ご依頼のきっかけと課題感

ご依頼をいただいたのは、2018年10月。「25年の歴史を記録した冊子と動画を制作したい」というご要望以外、何も決まっていないゼロからのスタートでした。周年プロジェクトを行う際、まず決めるべきことは、「周年という節目を、どう経営に活かすか」ということ。既存顧客との関係を深める、社員に理念を深める、ロイヤリティを上げるなど、企業にとっての「周年の目的」を明確にすることが大切です。そこで、本プロジェクトではその柱となるコンセプトの策定からスタート。「何を目的にするのか?」「誰に対して訴求するのか?」 そのゴールを明確にするために、本と映像を使って何を解き明かしていくべきなのかを、同社のプロジェクトメンバーとともに、ひとつひとつ丁寧に掘り起こすことにしました。

 

2プロジェクトの内容

プロジェクトは、下記のフローで進めていきました。

 

① 事前取材〜コンセプトの策定

② クリエイティブ制作 – 周年記念ブック

③ クリエイティブ制作 – 周年記念ムービー

 

①事前取材 〜 コンセプトの策定

誰に何を残すべきなのか。何を掘り起こすべきなのか。その解像度を上げるため、UTグループに長く在籍されている役員の方々のヒアリングを通して、周年で探求すべきテーマの設定からはじまりました。創業当時からのお話をうかがう中で、「人と向き合い続けることの価値」と「業界の常識に挑み、成長をし続ける挑戦のスピリット」こそ、UTグループを突き動かすエンジンであり、在籍する社員に残すべきメッセージであると感じ、それぞれのクリエイティブに落とし込んでいきました。

 

 

 

② クリエイティブ制作 – 周年記念ブック「25年間の挑戦の群像」

メーカーであれば製品、流通であれば店舗という「モノ」があります。しかし特定のモノを扱わない製造業派遣を考えた時、UTグループがこれまで向き合ってきたのは「モノ」ではなく「人」でした。そこで、25年間の社会情勢や派遣業界の動向を振り返りながら、同社の挑戦の歴史と断行してきた改革の数々を紹介。同時に、その裏側でどんな人が、どんな想いで関わっていたのか。出来事を起こした「人」で語るという構成に。日本全国で働く社員の皆さんのもとを訪れ、取材を実施しました。取材をさせていただいた50名を超える社内外の関係者のエピソードは全員掲載。店舗や商品を持たない派遣業界だからこそ「人」で語るべきであるという考えを、ブックを通じて表しています。

③クリエイティブ制作 – 周年記念ムービー

これまで積み上げてきた事実、これから解決していくべき社会課題の広がりを通して、UTグループのミッションを映像化した動画を制作。社内の会話でたびたび使われてきた「感情移入」というキーワードにも焦点を当て、「どれだけ人に向き合えるか」という価値観を軸に構成しました。

同時に、ブックの内容を映像化したドキュメントタッチの動画を制作。取材の中で感じた関係者の圧倒的な熱量と視座の高さがそのまま伝わるように制作しました。

3成果(お客様の声)

制作したブックとムービーは、2020年1月の周年記念式典でお披露目されました。若山社長には「この本は経営が自分一人の力ではできないことを教えてくれた」と仰っていただいたほか、動画を見て涙を流すマネージャーさんもいらっしゃるなど、大きな反響がありました。ミッションを映像化したムービーは採用活動にも使用されています。「人と向き合うこと」が同社の資産であり最大の強みであることを、1年余りの長い時間をかけて惜しみなく訴求したことで、社員の皆さんの意識も変わってきたようです。さらに社外への成果として、社内報アワード2020にて特別部門、動画社内報部門でゴールド受賞。会社自身も、2019年にはポーター賞を受賞するなど、UTグループはますます魅力的な会社へと成長しています。今回の周年プロジェクトが、過去を振り返るものではなく、さらなる未来に向かって走り続けるためのアクセルになることを願っています。