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食のあるべき姿を追求する。

エー・ピーカンパニー様のaction

つなげる力で、新たな価値を。
「他社就労」から広がる未来。

「食のあるべき姿を追求する」をミッションに掲げ、生産者と消費者を直結させる六次産業モデルを創造。塚田農業や四十八漁業など、多数の飲食点を経営しているエー・ピーカンパニー様。コロナの影響が色濃く出ている業界の中で始めた新たな挑戦「他社就労」の取り組みを紹介します。

「私たちに、もっとできることがあるのではないか」

2020年3月31日。エー・ピーカンパニー本社。店舗の営業を続けるか。お客様や従業員の安全のどちらを優先するか。すべての飲食店に投げかけられたこの難題に、同社は、東京都からの休業要請を待たずしていち早く「全店舗休業」の決断を下しました。その社会的責任を自ら鑑みる姿勢に、お客様からは「休業があけたら必ず行く」などの応援が多数寄せられました。

しかし、情勢は余談を許しません。長期化すれば従業員の雇用不安にもつながります。組織としても、昨年からの社内改革が功を奏し「いよいよこれから」と機運が高まっていた時期。「今、コロナに負けるわけにはいかない」「もっとできることがあるのではないか」。経営幹部チームでリーマンショックやオイルショックなど過去のあらゆる企業の対応策を調べ、辿り着いた答えが「他社就労」というアイデアでした。「お店を休まざるを得ない状況の中で、それでもまだ何か世の中に対して貢献できることがあるのではないか。人手不足で困っている業界に自分たちから働きかけていこうという話になりました」(人材開発本部、越川康成本部長)。すぐさまこの構想を親交の深い企業様に相談し、そのわずか2日後に「他社就労」の取り組みはスタート。多くの企業から共感と応援があり、緊急事態宣言中、小売業や流通業など13社へ、約400名の社員が文字どおり「就労」しました。

外にふれることで再認識した「独自の文化」の強み。

実際に「他社就労」をおこなった社員の方からは、「人手が足りず困っている会社も、自分たちの会社も、どちらも助けたい!」とポジティブな意見が多くありました。また社内SNS上において、就労先の現場で学んだことを共有。自社とは違ったオペレーション、マネジメント、考え方など、これまででは得られない学びの期間となったそうです。一方、就労先の企業様からは、その働きぶりに対してお褒めの言葉もありました。同社には、「神細(神は細部に宿る)」という独自のスピリットがあり、それを普段通りに実践したところ、「いつも以上に売り場がキレイになった」と評価されたのです。また、統括料理長が、あるスーパーの鮮魚部門で就労したところ、スーパーの現場メンバーから「おいしい料理をつくるには、という視点が刺激に なっている」という声をいただいた例もあります。このように、異なる価値観や文化が混ざり合うことで、就労先企業の組織の活性化にもつながるという好循環を生み出しつつあります。

あとがき

生産と消費、地方と都市をつなげてきたエー・ピーカンパニー。強みのひとつである「人財」という経営資産が、こんどは 企業や業種の垣根を超えて、世の中とつながりはじめました。「強みの上に強みを築く」とピーター・ドラッカーも語るように、根と幹のないところから豊かな緑の繁りはありません。同社は、生産者と家庭を直接つなぐ「おうちで塚田農場」、医療従事者向けのお弁当支援クラウドファウンディング(子会社の塚田農場プラスの取り組み)も開始。「社会のために」という一貫した企業姿勢は貫きながら、ビジネスモデルとしての変化の種まきが始まりつつあります。本質的な企業ブ ランドとは、行動の積み重ねの上に築かれるもの。企業の価値観が不測の事態に組織を動かす底力として、背骨として機能することを、あらためて学ばせていただきました。

(担当ディレクター:江本 記)

エー・ピーカンパニー株式会社:http://www.apcompany.jp/