株式会社パラドックス

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人やまちがつながるネットワークをつくり、毎日のくらしを満たす。

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社員みんなが誇れるアイデンティティは、屈強な背骨になる。

兵庫県加古川市にある、東播磨(加古川市・高砂市・稲美町・播磨町)を中心に通信事業、ケーブルテレビ事業等のメディア事業を展開するBAN-BANネットワークス株式会社。2019年に資本力強化のため阪急阪神ホールディングスのグループ企業となりましたが、社員たちはグループ化する以前と変わらず、誇りを胸に仕事をしていると言います。『自社らしさ』『自社ならではの使命』を言語化した後の“今”をお伺いしました。

「なんとなく、そうだよね」が言語化される、その意味とは。

地域に根差して25年。もともとは第三セクターから始まったBAN-BANネットワークスは、経営者の交代を幾度となく経験してきました。「経営者が交代するたびに経営方針が変わり、社員の中に『地域密着』というキーワードは存在しながらも、部署間での認識のズレが生じたり、『密着』「貢献」の尺度がバラバラであったり、番組の企画や顧客へのサービスなどに統一感がない状態でした。」と言います。

そこで、「なんとなく」存在してきた自社のアイデンティティをより鮮明にすべく、企業理念を刷新するプロジェクトをスタート。ミッション・ビジョン・バリュー・スピリット・スローガンのすべてを策定し、コーポレートロゴやサービスロゴ、スタッフジャンパーやロケ車などのビジュアル面もすべてリニューアル。決定したミッションは、「人やまちがつながるネットワークをつくり、毎日のくらしを満たす。」という言葉。第三セクターから始まったという歴史も相まって、公共性の高い情報やサービスを届けて続けてきたという誇りが、明確な言葉へと昇華し、社員一人ひとりの心に刻まれました。

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筋の通った背骨が、筋の通ったサービスを生み出す。

理念策定後は、インナーブランディングに着手。パラドックスのパートナーである人材研究所(株)の協力を仰ぎ、組織診断を行い、その結果を踏まえてのマネージャー研修やバリュー・スピリットの内容を反映したマネジメントコンピテンシーの策定など、内部から細胞レベルで組織に変容が起こるよう各種施策を実施。また、コールセンター委託会社や回線工事会社、出演タレントといった、長きに渡って支えてくれている協力会社、自治体や市民といったステークホルダーの方々にブランドブックの内容を説明するなどして、新たな理念を共有しました。共感する「同志」を増やし、地域への影響力を高めながら、「こころも情報も、ぬくもりであふれるまちに。」というビジョン実現へ歩みを進めています。

経営者交代のたびに困惑する、その歴史に終止符。

BAN-BANネットワークスは、新たなサービス開始に向けての資本力強化のため、地元有力企業である阪急阪神ホールディングスグループの傘下に入りました。「株主、経営者は変わりましたが、社員たちにとって自社のアイデンティティが絶対的な自信になり、混乱が起こることはありませんでした。また、株主や新たに着任した経営者は、理念があることで『らしさ』や『価値観』の理解がスムーズに進んだと感じています」(経営幹部)。通常起こりがちな、株主や経営者の交代による現場の混乱や戸惑いが起こることなく新たなスタートが切れたことで、これまで社長が交代するたびに困惑してきたその歴史に終止符を打つことができました。

あとがき

昨今、大きな話題になっている事業承継やM&A。その大きな障壁のひとつが、価値観やカルチャーのちがいです。社員に理解を促し、いかにスムーズなスタートを切ることができるか。それが大きなポイントになることは間違いありません。今回の理念策定プロジェクトのように、らしさや価値観を明確にすることは、外部の人たちへの企業理解を促します。アイデンティティの明確化は、マッチング精度の高い誰もが幸せになれる事業承継やM&Aに欠かせないものとなると感じています。

また、今回の理念策定では、不鮮明だったアイデンティティを鮮明にしただけでなく、社員の胸に「今まで自分たちがやってきたことの誇り」を生み出しました。「誇り」は社員の満足度を上げ、様々なステークホルダー、そして社員の家族といった周囲に語りたくなります。そうすることで、その「誇り」はさらに大きくなり、企業のビジョン実現への推進力を上げると信じています。

(担当ディレクター:虎上)

BAN-BANネットワークス株式会社:http://www.banban.jp/